下着と搾取と喫茶店運
日記と無縁な人生を送ってきた私だが、
数日のフラストレーションが積み重なり
日記を書いてみる事にした。
2022年8月23日
次のステップに進もうと決め、以前から気になっていたテキストを取り寄せた。
ピンクリボンアドバイザーという資格がある事を知り、これからの自分に必要不可欠な物であり
目指したい一つでもあると思い資格取得を目標に勉強に励む事にした。
もはや勉強は趣味なのかもしれない。
朝からうきうきで近所の喫茶店に行き、
黙々と勉強を始めた。読み始めるとやはり興味のある題材なのか、とても楽しい。
側から見たら目がキラキラしていたと思う。
その矢先、お馴染みミソジニーリーマン達が入ってきた。最初は一人だけだったのが、次々と増え最終5人にもなっていた。
テンションは下がり、集中力が切れ切れの中
まだやれると自分を奮い立たせ勉強を続けていたが何か視線を感じ、横の席のミソジニー1号を横目で見るとテキストを覗き見していた。
一気にやる気は失せ、ため息をつきながら喫煙スペースへ逃げ込んだ。
イライラが募る中、自分の席に視線を向けると
ミソジニー1号が身を乗り出してテキストをまじまじ眺めている。
頭の中で何かがキレ、席に戻り荷物をまとめて
急ぎ足でお店を出た。
車の中でわーーーー!っと叫びたいぐらい
ちゃぶ台返ししたいぐらい腹が立った。
たまにツイートしてたが、私は本当に喫茶店運がない。このミソジニー達とも会うのが何回目だろうというぐらいの遭遇率である。
ちなみにミソジニーの由来は、最初に遭遇した時に大声で社内の女子社員ランキングを決めていたからだ。
たまたまいつも同じ店だから仕方ないのかもしれない。
だけど、どこの喫茶店に行っても同じような事が起きる。
隣で不倫相談しながら泣き始める女性、カップルがバイトの子に理不尽なクレームを入れ出す、
お金を貸して欲しいと嘆願する老婆、電話で身売りの交渉をしている中年女性、宗教勧誘などなど
思い出せばきりがない。落ち着いて本が読めた記憶がない。
恋人と先日行った喫茶店では、仕事帰りのOLさんが、最初から最後まで泣き続けていた。
気になって仕方がない。
苛立ちを抑えられずも帰宅してから、過去を振り返っていた。
よく考えたら今日みたいな事は初めてではない。
下着業界に携わってる間、ずっと今日みたいに
晒され、搾取されて来た。
初対面の男性に職業を伝えると、ほとんどが
いやらしい目で見てくる。酷いやつは、着けてる下着の事まで聞いてきた。シンプルにセクハラだ。何を想像していたのだろうか。
お店に変態電話があるのも日常茶飯事で、商品の問い合わせと見せかけて、
最後は「お姉さんはどういうの履いてるの?」と
聞いてくる。
ほっといてくれ。
さらに酷いやつは、声が気に食わなかったのか
出た瞬間に切られる。
低い声で申し訳ございません。
だいたい変態電話の主達は土日の午前中にかけてくる事が多い。
もっと健康的な遊びをしろ。
電話だけではない。
お店にも現れる。
入口のマネキンの鼠径部を毎日触って通り過ぎるやつ、スリップ一枚で現れる女装家、コートの下は全裸というマダム。お姉さんと下着に興味があるので名刺下さいと言ってくる好青年風のやつ。
今考えたら、面白いけど恐ろしい。
なぜ下着の販売というだけで、勝手にイメージをつけられるんだろうと、いつも疑問に感じていた。
「エロい、軽い、遊んでる」
もうここまで来るとよく分からない。
今日勉強していたのはエロなんかじゃない。
医学です。
女性の身体を、エロに持っていかない
男性がどれだけいるのだろうか。
下着業界にいると
架空の世界なのかとたまに錯覚する。
それだけ、女性搾取は身近すぎる。
篠山紀信の展示を見に行った時に
中年男性グループがチラチラ見て来たので
反対にこちらからガン見してやった。
京都に行った時、バスの前の席の中年男性が
スマホでアダルト画像を見ているのが丸見えだったので、ずっとガン見してやった。
視線に気づいたのか、目があって罰が悪そうにしていた。それでもガン見を続けた。
こうやって、いつも反抗して来た。
どちらが悪いとかではない、シンプルに
気分が悪いのだ。
たぶんまた同じ喫茶店に私は行く。
ミソジニーが来るから行かないという選択肢は
私には無い。逃げる事が苦手だから。
久しぶりにこういう事が起きて動揺したけど
次回も同じ事をして来たらガン見してやる。
見たければ見ればいい。
同じ時間だけこちらもガン見してやるから。